2012年08月号
教師と保護者の密な連携で「いじめ」を防ごう

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まずは教育委員会を充実させること

柏原市会議員の濱浦佳子氏が、教員歴38年の奈良県会議員・阪口保氏と対談、「いじめ問題」について語り合った。
濱浦 柏原市では「いじめ問題はない」という見解を教育委員長が先日発表していたのですが、それが本当かどうか、私は非常に疑わしいと思っています。
阪口 38年間にわたり教員を続けて、生活指導にあたっていました。どんな学校でも、大なり小なりいじめはずっと存在しています。
学校は大人社会の縮図なので、大人社会でいじめがあれば、学校でも反映されます。柏原でもいじめがあるのではないでしょうか。
今回の大津の件は教育委員会、学校の対応のまずさに問題があります。もう少し対応が早ければ、こんなに騒がれることはなかったでしょう。教育長の態度がはっきりしない、学校もアンケートをきっちり開示しない、これが問題を大きくしました。
いじめの統計をとって「ゼロである」はありえません。自分が追求されたら困るので、教育委員長も学校の管理職も「ゼロ」と言うのです。それで教師が一人でかかえてしまう。それでは何も解決しません。
濱浦 教育委員会ってどんな役割をしているのですか?
阪口 もともと教育委員会は中立性が必要なのですが、実質的には形骸化している面があります。市長が自分の気に入った人を教育委員に任命するとか、自分の知り合いを教育長に任命するとか、教育委員会が機能していない側面があります。
まず、いじめをなくすには教育委員会を充実させていくことです。優秀な人を入れて人材を確保するのが大事かなと思います。
濱浦 柏原でも教育長というのは天下りです。教育長は、キャリアがあって、人格者を迎えるべきだと思っています。財務部長から教育長になるというのはおかしいと思います。

教師の力量、連帯が大事である

阪口 いじめている側も悩んでいるところがあって、ただ叱責するだけでなく、精神状態を把握して的確な指導をしてあげることが大切です。いじめの発見はそれなりに簡単なのですが、教師自身の力量、対応が問われます。
いじめを減らしていくには、子どもたちが生き甲斐をもつような場を設定してあげることです。体育祭や文化祭にクラス一丸で取り組んでいくとか、いろいろな取り組みの中でクラスをまとめていく、学校経営、学級経営という大きな観点で考えていかないと、小さな範囲でいじめを考えていても解決がむずかしい場合もあります。
濱浦 先生方も非常に多忙で、昔と比べて雑用が増えているそうですね。生徒とゆっくり話し合える機会も少ないと聞きます。
阪口 生活指導担当の先生も含め、学校全体で助け合っていく。それには教師集団がすばらしくなければなかなかうまくいきません。情報をオープンにして、みんなで支えていくのが大事です。

教師と親の信頼関係を築こう

濱浦 先生も言い分があると思います。モンスターペアレンツっているでしょう。
阪口 担任の先生一人で対応できないときは、私もサポートしていました。暴力的な親もいます。難しい親が出てきたときに、管理職によっては「まあまあ、このへんでおさえて」とあやふやにし、「あやまっておきなさい」と言う人がいます。でもどんな親が来ても、自分の考えをはっきり言わないといけません。それで、どうもめようと、教師になったら覚悟してやらないといけないです。
濱浦 保護者と先生のコミュニケーションが密になったら一番強いですね。
阪口 お互いに言いたいことは言って、教師も保護者も積極的に対話を求めていく。そういう中で対策が見つかっていく。単に生徒があかん、保護者があかん、先生があかんと批判しあってもなんの成長もしません。

【阪口 保 氏 プロフィール】
奈良県会議員。市民オンブズマン「見張り番生駒」代表幹事として、生駒市前市長の不正を暴き、生駒市から県会議員選挙にトップで当選。前職は東大阪市の中学校教師で生活指導にあたっていた。


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柏原市の財政を揺るがす、市立柏原病院の赤字!人件費が約70%以上かかっている?

柏原市はさまざまな赤字の問題を抱えている。「市立柏原病院」「サンヒル柏原」「アゼリア」等。「竜田古道の里山公園」「市民交流ひろば」「ごみ問題」等不透明な問題があまりに多いのではないかと?

【市立柏原病院】

「3年以内に病院を黒字にする。出来なければ市長を辞職する」と豪語していた岡本市長だが、もうとっくに3年を経過した。平成22年度は、一般会計から12億円近くが繰り出されている。収支の赤字、特例債の返済、起債の返済を併せると毎年、市の財政から10億以上の繰入金が必要である。柏原市の市税は減少してきている、市立柏原病院へ多額の赤字補てんは市民サービスが低下することになる。市内の道路、水道管の老朽化に対する補修整備などは、現状の危機管理を考えても必要である。

【サンヒル柏原】

3年ほどの前に社会保険庁から買い取った「サンヒル柏原」も、岡本市長が「私は数字に強いから、まちがいなく黒字経営で市民の憩いの場にする」といったものの、社保庁からの5000万円がなくなった今年からは、赤字は必至である。
市に、不利な条件の委託業者との契約内容を変更するか、破棄すべきであると思うが、何故しないのか疑問に思う。この委託業者を市に紹介したのは、市長の友人と聞いている。

百条委員会の一部委員、留所山・亀の瀬を視察!?驚愕の現状!?

何故、柏原市が2500万円以上の維持管理費を負担するのか?

猛暑の中、亀の瀬を視察した。その広大さに驚愕した約90万m2(約30万坪)、ほとんどが人の背丈もあるような草が多い茂り「レモン」が見当たらないのである。見つけたレモンの多くは育たずに枯れ果てていた。市長は「市民協働で、亀の瀬のレモン畑を維持管理する」と謳っていたが、広大な土地活用に計画性ある充実した施策を持っていたのか疑問思う。以前、亀の瀬の草刈りに年間一億円程の費用がかかると聞いていたが、草だらけの亀の瀬をみて真実のように思えた。市長は、亀の瀬は国交省から移管されていないといっている(一部は上面利用)。亀の瀬全域は、ほとんど雑草が生い茂っている。何故、草刈しないのか?
百条委員会は、留所山が公園になったことに異議を言っているのではない。今後、公園の維持管理費を柏原市だけに、柏羽藤環境事業協同組合が賄わせることに問題があると言っているのだ。留所山は3市の処分場であったので3市が分担すべきであると言っているのである。

市民の声

ダチョウが何故死んだのか? そんな計画があったのか! かわいそうだと市民からも声が

市民の方から連絡をいただいた。前号で掲載した竜田古道の里山公園のダチョウの件である。
「あそこの公園はほんとに不便なところですね。あんなところにこんな予算がつぎ込まれているとは知りませんでした。
そこにダチョウが飼われていたんですね。それで全てのダチョウは死んでいるってなんですか?残っているのは立派な檻だけだそうじゃないですか。ダチョウの購入費って40万円もかかっているんですね。人里離れたこの場所でなんのために、飼育しようとしたのか市民に説明してほしいです。
動物を飼うならもっと責任をもってやってほしいです。

パトロール

奈良県会議員の阪口氏は長らく中学校で教べんをとっておられただけに、学校現場で起こっていることに詳しい。「保護者がすごく私を信頼してくれたので、がんばらなあかんと思いました。保護者や生徒の期待が自分を育ててくれました。もっと教師と親は積極的に対話しないといけないです」の言葉に、コミュニケーションの重要性を感じた。いつのまに教師と親との関係が変わってきたのだろう。確かに暴力はいけないが、生徒へ愛情を持つ教師のゲンコツの一発や二発、親だって理解をするはずだと個人的には思う。いじめをなかったことにする教師が存在する一方で、生徒に対して真摯(しんし)に向き合い、病院へ行く時間も惜しんだため、病に倒れた先生もいると聞く。「私自身も未熟なところがあって失敗もしたのですが、生徒そのものはものすごく理解をしてくれた」と阪口氏は言う。子どもは鋭く大人を観察している。どの教師が味方かを見抜く力を持っているのだ。